【DC採用】R04(2022) 学振申請書を限定的に公開!! PART3 研究遂行能力の自己分析

これは続編です。PART1はこちらから!

申請書のダウンロード方法も記載しております。

PART3は自己分析編です。このパートでは、書いていてもどこか恥ずかしい内容を延々と述べていく難業です。また、他人と被りやすい箇所です。なのでどうするかというと、自分の業績を引用して"自分は学部や修士のときから目指す研究者像があり、そこに向けて努力してきた"とアピールをすることです。

Table of Contents

    5. 申請書の解説 PART3

    5.1 【研究遂行力の自己分析】(1) ①研究に関する自身の強み

     ここでは自分で強みをリストアップして、それを根拠を提示しながら説明していく必要があります。私の場合はこれまでのテンプレートを踏襲し、以下の5点をアピールしました。

    私の強み

    • 研究における主体性
    • 発想力、問題解決力
    • 知識の幅・深さ、技量
    • コミュニケーション力
    • プレゼンテーション力

     

    業績を含めて説明する必要があるので、まず先に業績リストを作成して、そこから何がアピールできるかを考えましょう。また、ここで書くことは"これまでの自分"です。一方で次ページ以降では"これからの自分"を書くことになります。なので重ねてですが、目指す将来像に修士課程以前から取り組んでいたことを述べましょう。

    ・P7-1:(研究における主体性)  業績で殴る

    主体性を主張するのは難しいです。なぜなら多くの場合は証拠が存在せず、自分が一方的に書きたいこと書いているだけになりがちだからです。ただ学振において、"自分の発案で、自分が計画し、自分で実験して、自分で論文にする"ことが求められているので主体性はアピールしたいところです。そこで最も客観的かつ効果的なアピール方法は業績以外ほかにないです。極力多くの成果を引用して圧倒しましょう。またこれは全てファーストオーサーでなければ効果は半減ですので、ご注意を。

    ・P7-2:(発想力、問題解決力)  修士研究の成果をさらにアピール

    2022現在の申請書テンプレートでは、修士課程の業績をアピールするところが少ないです。そこで、修士研究の独創的な点や与えたインパクトを挙げて、自分の発想力をアピールしましょう。実際のところ、研究の発想や問題解決は自分の力だけでは実現できません。ですがそれは審査員も分かっていることです。ここでは思い切って、すべて自分の成果のように振舞ってしまいましょう。

    ・P7-3:(知識の幅・深さ、技量)  博士研究の実現可能性をアピール

    博士研究の実現に必要となる前提知識を列挙して、提案研究の難しさを主張すると共に、申請者が実現可能な素養を備えているということを書きました。そして、ここで主張したことは(2)の今後研究者として必要な要素や目指す研究者像の部分の布石になるようにしました。

    ・P7-4:(コミュニケーション力)  人間性と語学力をアピール

    他の研究者との共同研究や留学経験、国際学会などでの参加経験を前面に出していきましょう。また、学外での活動でも交流があれば書けるとよいですね。ここもある意味、次ページ以降の布石です。

    ・P8-1:(業績リスト)  かけることは何でも書く

    業績リストはマストで書けとはなっていませんが、業績の引用が必要な時点で組み込んだ方が良い内容であると思います。査読の有無や国内外の区別は注意が必要です。DC2ならまだしも、DC1の場合あまり業績がないと思います。私の周り(無機化学)でもDC1であればファーストの論文が1報あればすごい方だと思います。DC1に採用された知り合いで論文なし、国内学会1件で採用された人もいます。その人も"その他の業績"を結構盛って書いたらしいので、アピールできることはすべて出し切りましょう。

    5.2 【研究遂行能力の自己分析】(2) 今後研究者として必要な要素

    ・P8-2:学振が求める人材に沿った要素を列挙する

     ここで重要なことは、学振の採用趣旨に沿ったことを書いているかどうかです。学振は"国費"で学生を雇用するものです(厳密には違いますが)。なので当然ですが、方針に合わない人間を採用するわけにはいきません。その方針というのは学振のHPに記載があります。

    www.jsps.go.jp

     私が重要視したことは、”高度な研究能力”"研究成果を社会へ還元すること"、"国際的に活躍すること"でした。なので、自分に足りていない能力を正直に書いて(卑下はしすぎない)、そのあとに必要な要素の解説をつけていく構造にしました。

    5.3 【目指す研究者像等】(1) 目指す研究者像

    ・P9-1:前半は経験談にもとづく志望動機の解説

    目指す研究者像だけを延々とA4半分書くのは私には無理だった。ただただ長くて読みにくい文章が書かれただけであり、パーソナリティがまったく見えない自己満足の文章が出来上がってそう気づいた。なので前半は志望動機、後半は本題の目指す研究者について書いた。

    ・P9-2:一貫した研究者像を述べる

    後半の部分が本題になるわけだが、ここで前ページの今後研究者として必要となる要素と矛盾してはいけない。というよりかは、列挙した要素に沿った研究者像を目指さなければならない。ここは意識していた点で、わざわざ下線まで引いています。いま振り返って思うことはここが、次の(2)とやや被ったことを書いていますね。マジで難しい。

    5.4 【目指す研究者像等】(2) 採用期間中に行う研究活動の位置づけ

    ・P9-3:より具体的な将来ビジョンを掲げる

    これもほぼ同じで、前ページの今後研究者として必要となる要素を身に付けていくうえでの過程を詳細に説明している。ある意味では、この申請書の締めくくりであることから、申請書全ての要約となるように心がけた。正直この部分は非常に解説しにくいので申請書の方で確認してください(放棄してしまいました、、、)。

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    6. まとめ

    解説は大体こんなところですかね。その他のアドバイスとしては、図は書き始めのところでこだわりすぎないこと。図は後半戦でいいです。序盤で作っても変更が余儀なくされて時間の無駄になります。また、図中の字がつぶれていないかを印刷してよくチェックしましょう。あと意外な強敵が"指導教員の評価書"です。これが記述量が増えている傾向にあり、早め早めに準備しないと間に合わないです。多くの学生は自分で下書きを書いて先生にブラッシュアップしてもらうと思います。この下書きもマジで大変で、4000字も自分の推薦理由を書くのは気が狂います。ネタ切れします。必ず1か月前には先生に評価書の依頼をしておきましょう。

    以上、頑張って!!

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